世界3800名の経営幹部は、新型コロナによる変化をどう見ているか ~IBM「COVID-19 and the future of business」(新型コロナと未来のビジネス)を公表

世界22カ国の20以上の業界の3800人を超える経営幹部は、新型コロナの猛威を前に何を考え、何を教訓として汲み取り、どのような洞察を得ているのでしょうか。

IBMが9月30日に発表した「COVID-19 and the future of business」(新型コロナと未来のビジネス)は、新型コロナ以降に公表されたさまざまなレポートとはちょっと異なる、新しい視点を提供しています。

調査期間は、今年4月~8月の5カ月間。新型コロナが世界各所で爆発的に拡大し、いったん収束に向かうのかと思われた矢先に再び拡大に転じ、この状況は数年にわたって長期化する、あるいはニューノーマルという新しい状況の到来、と考えられ始めた時期の調査です。

「私たちの調査は、新型コロナ後のビジネス環境に関する5つの重要な発見を示唆しています。そこには、デジタルトランスフォーメーション、仕事の未来、透明性、持続可能性に関する新しい視点があります」

その5つとは、次の通りです。

洞察1 デジタル変革はテクノロジーだけではない
洞察2 人的要素が成功への鍵
洞察3 新型コロナは旧弊を駆逐し変化を加速する
洞察4 勝つ人も負ける人もいるが、1人でやる人はほとんどいない
洞察5 健康は持続可能性の鍵になる

以下、レポートの中で目を引いた個所をご紹介します。

「新型コロナは、世界中の組織の運営方法を一変させました。回答者の約55%が、新型コロナは組織戦略に関して今後戻ることはないだろう決定的な変更をもたらした、と述べています。さらに60%は、新型コロナはビジネスの進め方についての考え方も変え、プロセスの自動化をいっそう促進させた、と言います」

59%が「新型コロナによってDXが加速」、66%が「過去の問題を一掃」と回答

「また64%は、クラウドベースのビジネス活動がより進んだことを認めています。経営幹部たちはテクノロジーで何ができるかについて以前よりも信頼するようになり、デジタル・トランスフォーメーションを加速させ始めています」

64%が「クラウドベースのビジネスへのシフトが進む」

「経営幹部の4分の3以上が、新型コロナ後も顧客行動の変化が続くと予想しており、オンラインでのショッピングやカスタマーサービスが増加すると見ています。そのために経営幹部の84%は、今後2年間は顧客体験の管理がビジネスの最優先事項になると述べています」

「74%の組織が、従業員のスキル学習に関して新しい機会を提供し始めている、と回答しています。また80%の組織が従業員の健康管理に取り組み、86%の組織が、働き方についての新しいガイドラインを提供しているとしています。しかしながら従業員はそこまでは評価しておらず、ギャップが示されています。そうした中で、業務の自動化やAIの採用、その他の「非接触」アクティビティの登場による従業員の減少が続いています」

仕事上のスキル学習、健康管理、働き方の新しい指標が必要


「回答者の87%は、コスト管理が今後さらに重要になると述べています。またアジリティ(回復力)が重要との認識が高まっており、75%が今後2年間にビジネスの回復力およびITの復元力(レジリエンシー)を優先することを計画しています。さらにサプライチェーンのアジリティの重要性も高まっており、経営幹部の40%が将来の危機を乗り切るための方策として、長年のジャストインタイム制からの脱却を考えています」

「サイバーセキュリティへの懸念も急上昇しており、経営幹部の76%が今後2年間でサイバーセキュリティへの投資を優先します。また46%がサイバーセキュリティの強化のためにAIの採用を計画中です。これは、従来の2倍の動きに相当します。さらに経営幹部の87%は、今後2年間に企業の俊敏性を高める投資を優先するとしています」

コスト管理、回復力、サイバーセキュリティへが重要事項

「新型コロナは、すべての組織・業界に平等に影響を与えたわけではありません。今年度78%も業績を伸ばしたAmazonを思い出してください。この収益増は、他の企業の落ち込みの半分以上にも相当します。業界では今、多くのパートナーと手を組む企業が勝者になるという期待が高まっており、既に70%の経営幹部が業界内でパートナーを求める活動を計画中で、57%は自分たちの業界外にパートナーを求め始めています。いずれにしても、そのようなエコシステム活動が、2年前と比較して、次の2年間で300パーセント以上成長すると見られます」

エコシステムを求める動きが加速する

「新型コロナは多くの人にとって苦痛な現実でしたが、新しいことを始めなければならないというモーニングコールでもありました。経営幹部は、新型コロナによって不可避になった新しい戦略、管理、運用、および予算の優先順位の変更を受け入れる必要があります。加速すべき投資は、デジタルテクノロジー、変革、クラウドの採用へと向けられています。新型コロナ以降、ビジネスは根本的に変化しました。古い障壁は、容赦ない混乱、急速に進化する顧客の期待、および前例のない変化のペースの圧力の下で払拭されつつあります」

新型コロナ以前・以降の変化 ~働き方の安全・セキュリティ、持続可能性、事業環境

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