• 2020-09-02

コロナ禍でBCPを発動した企業は20% ~NTTデータ経営研究所が調査レポートを公開

株式会社NTTデータ経営研究所は、第6回となる「企業の事業継続に係る意識調査」を8月28日に発表しました。この調査は、東日本大震災後の2011年から2年おきに実施されているもので、3.11以降の企業BCPの実態を継続的に追跡している調査として、貴重な知見を提供してくれています。

「企業の事業継続に係る意識調査(第6回)概要

調査実施:株式会社NTTデータ経営研究所
調査方法:非公開型インターネットアンケート
調査期間:2020年6月26日~7月13日
有効回答者数:889人
報告書:A4版52ページ
Webサイトhttps://www.nttdata-strategy.com/

今回の調査は、今年6月26日~7月3日に実施されたこともあり、企業BCPの対象として新型コロナのようなパンデミックをどの程度想定していたか、発動されたBCPは機能したのか、も浮き彫りにしていて、非常に興味深い結果になっています。

BCPで想定しているリスクは「地震」が最も多く70.6%、「ウイルスや病原菌等によるパンデミック」は40.6%という結果でした。「地震」と「パンデミック」では、30ポイントもの差があります。

BCPにおいて想定しているリスクの状況(n=613)


ただし、BCPで想定するリスクの経年変化を見ると、パンデミックは第1回調査(2011)から前回の第5回調査(2018年)まで減少傾向にありましたが、今回の調査では前回調査より14.2ポイントも増え、増加傾向に転じています。今回の新型コロナが、パンデミックを企業BCPの主要対象の1つとして設定する機会になることをうかがわせます。

では、パンデミックをBCPの対象として想定していなかった理由は何でしょうか。

最も多かった回答は、「BCPを『地震や自然災害時の対応』と認識していたため、BCPの検討対象にはパンデミックは含まれないと思っていた」で約5割、さらに「BCPで地震や自然災害を想定していれば、他の様々なリスクにも幅広く対応できると考え、パンデミックにフォーカスし想定する必要性を感じていなかった」が2割ありました。

これについて報告書は、「世の中のBCPへの理解が十分に進んでいない」ことを最大に理由として挙げ、これが「BCPにおいてパンデミックを想定していなかったことに大きく影響している」と分析しています。

BCPにおいてパンデミックを想定していなかった理由(n=364)


今回の調査では889人が有効回答を寄せ、そのうち「BCP策定済み」の企業は328人、さらにその中で「特定警戒都道府県」(13都道府県、*1)に自社拠点をもつのは88.4%、取引先があるのは56.1%でした。回答者の多くが大都市圏に集中していることがわかります。

*1 特定警戒都道府県:北海道、茨城県、 埼玉県、 千葉県、 東京都、神奈川県、 石川県、岐阜県、愛知県、京都府、 大阪府、兵庫県、 福岡県の13都道府県。

「BCP策定済み」企業のうち実際にBCPを「発動した」のは22.9%、「BCPは発動しなかったが、何らかの緊急時対応が会社から発せられた」のは62.5%、また、BCPの発動状況を業種別に見ると、「モノ中心の業種(建設・土木・不動産・製造業・商業・流通・飲食)」が19.6%と最も低く、「情報中心の業種(金融・保険・通信・メディア・情報サービス・その他サービス業)」が25.3%という結果でした。「モノ中心の業種」は「情報中心の業種」よりも約6ポイント低い結果です。

この結果について報告書は、「過去に策定したBCPが事業継続を十分に担保する計画となっていなかったことを、企業自身が認識したことが影響した」と推察しています。
つまり、「BCPを発動したとしても効力が発揮されないことを見越した結果」だと報告書は言うのです。

BCP策定済み回答者のうちBCP発動の有無(n=328)


「BCPを発動しなかった」理由は、次の図の通りです。

BCPを発動しなかった理由(n=248)


一方、BCPを発動した企業では想定通りに機能したか、という設問には、「期待通りに機能した」と「おおむね機能したが問題となる部分もあった」が同数(46.7%)という結果でした。

その「問題」として挙げられたのは、「従業員・職員への退社・出勤等の判断指針」が28.9%、「災害・事故・パンデミック等発生時の体制設置」が26.7%で、「初期段階での対策」が上位にランクされています。

今回の調査は、パンデミックを企業BCPの重要テーマとして考え直す、格好の資料になるのではないかと思われます。

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