• 2020-08-30

IBM iモダナイゼーションこそが未来を創る~Interview フィリップ・マーニュ氏(ARCAD Software)

ARCADの社長
フィリップ・マーニュ氏 ARCAD Software CEO & Chairman

 「DevOps」と「モダナイゼーション」を軸にソリューションを再編

i Magazine(以下、i Mag) 1992年にフランスでARCAD Softwareを設立してから25年以上がたちました。現在75カ国で4000ライセンスを販売し、世界中にパートナー網が広がっていますね。

マーニュ そうです。現在はフランス国外での売上が全体の80%に達しています。この25年間で、IT市場は大きく変化しました。プラットフォームやテクノロジー、運用スタイルを含めIT環境はあらゆる意味で多様化、複雑化、高度化しています。当社は発足当初、IBM i環境に向けたライフサイクル・マネジメントという軸でソリューションを展開してきましたが、市場が大きく変化するなか、それではユーザーの要望に十分対応できないと判断しました。そこで数年前に、「DevOps」と「モダナイゼーション」という2つの軸でソリューションを再編しています。

i Mag 再編の核になっている考え方を教えてください。

マーニュ 大きくは2つあります。まずIBM iをはじめUNIX、Linux、 Windows、z/OSを含むマルチプラットフォーム環境を対象にDevOpsを展開していることです。IBM iに対しても、IT市場全体で標準とされるDevOpsの手法を取り入れていくことで、結果的にモダナイゼーションを推進することになると考えています。

もう1つは個々にツールを導入するのではなく、DevOpsのライフサイクルプロセスごとにツールを組み合わせ、相互に連携させていくことです。これは自社のツールだけでなく、たとえばIBMの「Rational Developer for i」(RDi)や「Rational Team Concert」(RTC)をはじめ、 GitHubやJIRA、SVN、Jenkinsといったオープンソース・ソフトウェア、さらに米Profound社をはじめとするパートナー製品など、多様なツールと連携しています。そうした連携こそが、当社の描くDevOpsおよびモダナイゼーションのシナリオを実現できると考えています。

i Mag グローバル市場におけるモダナイゼーションの状況はいかがですか。

マーニュ 私たちがお付き合いしているお客様の多くは、ミッションクリティカルなシステムをIBM iで運用しており、そうした資産をすべて捨てて、オープン系へ進んでいこうとはあまり考えておられません。IT部門だけでなく経営層の方々も、「IBM iは古びたプラットフォームでは決してない。

だから今後も投資し、使い続ける」と、モダナイゼーションこそが唯一の選択肢であると明言されています。プログラム資産の可視化ツールである「Arcad OBSERVER」をエントリーポイントにして、まずは5250画面のGUI化やWeb化、モバイル対応に着手されるケースは日本と同様、グローバルでも多く見られます。UIの変更は見栄えが変わってわかりやすいし、すぐに結果を出せるという点でも有効です。しかしそれは単なる入口であって、真のモダナイゼーションはDevOpsを含めた全体像で考えていかねばなりません。

i Mag 2017年4月からは、Power Systemsに「Arcad OBSERVER」がバンドルされるようになりました。このことはモダナイゼーションビジネスに何か変化をもたらしましたか。

マーニュ ハードウェア導入時に、付加価値ライセンスの1つとして「Arcad OBSERVER」を使えるようになったことで、ユーザーがモダナイゼーションに向けた1歩を踏み出しやすくなったと感じています。ドアノッキングツールとしても有効で、これをきっかけに、当社のDevOpsソリューションに目を向けていただく機会が増えました。IBM市場で大きな存在感を発揮するビジネスパートナーの英meridian IT社との提携も、このバンドル戦略が契機になりました。

日本では2014年に三和コムテックとパートナーシップを締結して以来、日本のお客様にも当社のソリューションを広くご紹介できるようになったことをとても喜んでいます。ARCADソリューションをご活用いただき、IBM iモダナイゼーションの道を歩みだしていただきたいですね。

この記事はi Magazine 2018 Spring(2018年2月)に掲載されました。

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