- 2020-08-11
MIMIX、30年の長い道のり|2020年、Precisely社のもとでさらなる飛躍へ
海外のエンタープライズ向けソフトウェア市場では今、ドラスティックな統合・再編が進展しています。大規模な買収・統合が繰り返され、有力ソリューションは数社の巨大ベンダーに集中している状況です。そうした市場再編の舞台で存在感を発揮するキープレイヤーの1社が、IBM iのHAソリューション「MIMIX」を提供する米Precisely社です。
買収・統合に伴い、MIMIXの提供元は変化してきました。
もともとMIMIXを開発したのは、1992年に創業した米Lakeview Technology社でした。高度な技術力を背景に、IBM iのHAソリューション市場で高い実績を築き、当時は「Orion」を開発・提供していたVision Solutions社とともに、HAの2強時代を形成していました。
しかし2007年にVision Solutions社はLakeview Technology社を買収。ブランド名として「MIMIX」を継承しつつ2製品を統合し、強力な機能性を武器に圧倒的な市場シェアを築くに至りました。
2017年に入ると、米ニューヨークに拠点を置く投資会社、Centerbridge Partners社が、Syncsort社とVision Solutions社を買収し、Vision SolutionsはSyncsort社に統合されました。Syncsort社は新たに「Assure MIMIX」というブランド名の下、さらなるHAソリューションの開発・提供に注力します。
Syncsort社は、50年以上の歴史を誇る老舗ITベンダーです。もともとはIBMメインフレーム上でバッチ処理やデータインテグレーションを担うツールを提供したのが始まりです。
その後、「Data Integrity」(データの完全性)を軸にビジネスの舵を大きく切り、企業の買収・統合を繰り返しながら、データインフラストラクチャの最適化、データインテグレーション、データの高品質化、データセキュリティ、Hadoopソリューションなどを支援する一連の製品群を拡充していきます。
2019年8月には、その戦略を決定づける大きな動きがありました。Syncsort社が、米ピツニーボウズ社からソフトウェア・ソリューション事業を買収したのです。
ピツニーボウズ社は、郵便と小包の発送業務の効率化およびデジタル・トランズアクションの分野で、数多くの製品とソリューション、サービスを提供するグローバル・テクノロジーカンパニーです。1920年に郵便料金計器を世界で初めて発明して以来、2020年には創業100周年を迎えます。世界で約100か国、150万社以上のユーザーが、ピツニーボウズの製品やソリューション、サービスを利用しています。
Syncsort社はこの歴史ある企業からソフトウェア・ソリューション事業を買収することで、顧客情報管理、ロケーションインテリジェンス、データエンリッチメント、顧客エンゲージメントソリューションに関する卓越したノウハウと技術を手にしました。同社は今や、グローバルで2000人のスタッフを擁し、世界100カ国以上で1万2000社の企業、さらにFortune100社のうちの90社がSyncsortのソリューションを利用しています。
そして買収・統合が完了した2020年5月、Syncsort社はPreciselyへと社名を変更し、新たな歴史を刻み始めました。最良のビジネスノウハウとテクノロジーを結集し、Data Integrityに特化したエンドツーエンドの成熟した製品ポートフォリオの提供を目指しています。
同社はData Integrityを支える重要な製品ポートフォリオの一角として、「Assure MIMIX」というブランドを継承しつつ、障害や災害など不慮の事態から企業の大切なデータを守るサービス&ソリューションの提供を続けています。
三和コムテックはMIMIXの誕生以来、今に至るまで一貫して、日本でのMIMIXの販売&サポートを担っています。グローバルでダイナミックな市場再編に伴って、MIMIXの提供元には幾度か変化の時が訪れました。しかしMIMIXはHAソリューションとして、さらに進化した高度な機能を搭載し、三和コムテックは国内のお客様に対して、これまでも、そしてこれからも、充実したセールス&サポートを提供していきます。
MIMIXの歩み
[SCT IBM i Portal]